現在、Unity 6000.0.58f2で開発している「登場人物ノート」と「家計簿ノート」を、Unity 6000.1.17f1でビルドできるようにすることにしました。
今回は、実際のプロジェクトを使って、
- Unity 6.0からUnity 6.1へ移行
- Unity HubにUnity 6000.1.17f1をインストール
- 既存プロジェクトを新しいUnityで開く
- パッケージやスクリプトのエラーを確認
- Androidアプリとしてビルド
- 移行後の動作を確認
という手順で進めていきます。
Unityのバージョンアップは、一見すると「新しいUnityをインストールしてプロジェクトを開くだけ」に見えます。
しかし、既存プロジェクトをそのまま開くと、パッケージの変更やAPIの変更などによってエラーが発生することがあります。
そこで、今回は初心者の方でも分かるように、できるだけ安全な移行手順をまとめます。
今回のUnityバージョン
今回の移行元と移行先は次のとおりです。
| 項目 | バージョン |
|---|---|
| 移行前 | Unity 6000.0.58f2 |
| 移行後 | Unity 6000.1.17f1 |
| Unity世代 | Unity 6 |
| 移行内容 | Unity 6.0 → Unity 6.1 |
Unity 6000.1.17f1はUnity 6.1系のバージョンです。
Unity公式マニュアルにもUnity 6.1(6000.1)のマニュアルが用意されています。
1.まず現在のプロジェクトをバックアップする
Unityのアップグレードで一番大切なのが、バックアップです。
新しいUnityでプロジェクトを開くと、プロジェクトのデータが更新される場合があります。
そのため、
「問題が起きたら元に戻せばいい」
という状態にしてからアップグレードを始めます。
Unity公式も、アップグレード前にプロジェクトをバックアップすることを推奨しています。特にバージョン管理システムを利用する方法が推奨されています。
Gitを使っている場合
Gitを利用しているなら、アップグレード前にコミットしておきます。
例えば、
Unity 6000.0.58f2 移行前
のようなコミットを作っておくと分かりやすいです。
アップグレード後に問題が発生した場合も、変更内容を比較しやすくなります。
Gitを使っていない場合
プロジェクトフォルダを丸ごとコピーしてバックアップしておきます。
例えば、
MyProject
MyProject_backup_6000.0.58f2
のようにしておくと安心です。
なお、Unity公式では、手動バックアップの場合は自動生成されるLibraryフォルダなどを除外して容量を減らす方法も案内されています。
初心者の方は、容量に余裕があるならプロジェクトフォルダを丸ごとバックアップする方法が一番分かりやすいと思います。
2.現在のUnity 6000.0.58f2で正常に動くことを確認する
いきなりUnity 6.1へ移行するのではなく、まず現在のバージョンでアプリが正常に動くことを確認します。
今回の場合は、
- 登場人物ノート
- 家計簿ノート
の両方を確認します。
例えば、次のような項目をチェックします。
登場人物ノート
- アプリが起動する
- 登場人物を登録できる
- 登場人物を編集できる
- 登場人物を削除できる
- データを保存できる
- 保存したデータを読み込める
家計簿ノート
- アプリが起動する
- 支出を登録できる
- 支出を編集できる
- 支出を削除できる
- 月ごとの集計が正しく表示される
- データが保存される
ここで問題がないことを確認してから、Unityのバージョンアップを行います。
これが意外と重要です。
アップグレード後に問題が発生した場合、
「Unityのバージョンアップが原因なのか、それとも元から存在していた問題なのか」
を判断しやすくなるからです。
3.Unity HubにUnity 6000.1.17f1をインストールする
次にUnity 6000.1.17f1をインストールします。
Unity EditorのインストールにはUnity Hubを利用できます。Unity公式マニュアルでも、Unity HubはUnity Editorのインストールやプロジェクト管理に利用する主要な方法として説明されています。
Unity Hubを起動します。
「インストール」からUnity Editorの追加を行います。
今回インストールするのは、
6000.1.17f1
です。
ここで注意したいのが、必要なモジュールも忘れずにインストールすることです。
Androidアプリをビルドしている場合は、Android向けのビルド環境も必要になります。
例えば、
- Android Build Support
- Android SDK & NDK Tools
- OpenJDK
などです。
現在のUnityでAndroidアプリをビルドしている場合は、基本的に現在使用している環境と同じように必要なモジュールをインストールしておくと安心です。
4.Unity 6000.1.17f1でプロジェクトを開く
Unity Hubのプロジェクト一覧から対象プロジェクトを選択します。
そして使用するUnity Editorを、
6000.1.17f1
に変更します。
既存プロジェクトを新しいUnityで開こうとすると、Unityからバージョン変更について確認されます。
ここでプロジェクトをバックアップ済みであることを確認して、Unity 6.1で開きます。
Unity公式のアップグレード手順でも、Unity Hubから新しいEditorを選択してプロジェクトを開き、バージョン変更の確認を行う流れになっています。
5.最初の起動では焦らない
新しいUnityで初めてプロジェクトを開くと、少し時間がかかる場合があります。
これは、Unityがプロジェクトのデータやパッケージなどを読み直しているためです。
特に、
Import
Compile
Package Manager
Asset Database
などの処理が行われるため、普段より時間がかかることがあります。
ここで、
「Unityが止まった!」
と思って慌てて終了しないようにしましょう。
まずは処理が完了するまで待ちます。
6.Consoleウィンドウを確認する
プロジェクトが開いたら、まず確認したいのがConsoleです。
Consoleには、
- Error
- Warning
- Log
などが表示されます。
特に重要なのが、
Error
です。
エラーが大量に表示されている場合は、まずエラー内容を確認します。
Unityのアップグレードでは、新しいUnityで非互換になったAPIやパッケージなどが原因で問題が発生することがあります。
Unity公式でも、アップグレード後はConsoleのエラーや警告を確認し、必要に応じてパッケージを更新することが推奨されています。
7.コンパイルエラーが発生した場合
例えば、
CSxxxx
のようなC#コンパイルエラーが発生することがあります。
この場合は、エラーメッセージを一つずつ確認します。
ポイントは、
最初に表示されたエラーから確認する
ことです。
一つのエラーが原因で、その後に大量のエラーが発生している場合があります。
そのため、下から順番に直すのではなく、まず最初のエラーを確認します。
8.Package Managerを確認する
次にPackage Managerを確認します。
Unityでは、さまざまな機能がパッケージとして提供されています。
例えば、
- Input System
- TextMeshPro
- 2D関連パッケージ
- Android関連パッケージ
などです。
Unityのバージョンが変わると、パッケージのバージョンや互換性にも注意が必要になります。
Package Managerを開いて、エラーが発生していないか確認します。
必要に応じて、Unity 6.1で利用できるバージョンへ更新します。
ただし、
問題がないパッケージを、何でも最新版に更新すればよい
というわけではありません。
既存プロジェクトで正常に動いている場合は、変更範囲をできるだけ小さくすることも重要です。
9.APIの変更を確認する
Unityのバージョンアップでは、古いAPIが非推奨になっていたり、仕様が変更されていたりすることがあります。
Unityには、古いコードを新しいAPIへ更新するためのAPI Updaterもあります。
そのため、スクリプトのコンパイル時にUnityから修正を提案された場合は、内容を確認して対応します。
ただし、何も考えずに大量のコードを変更するのではなく、
- エラー内容を確認
- 変更内容を確認
- 必要ならGitなどで差分を確認
- 動作確認
という流れで進めると安全です。
10.Sceneを開いて確認する
コンパイルエラーがなくなったら、実際にSceneを開いて確認します。
まずは、
登場人物ノート
のSceneを確認します。
次に、
家計簿ノート
のSceneを確認します。
ここでは、
- UIが正常に表示されるか
- ボタンが表示されるか
- 文字が表示されるか
- レイアウトが崩れていないか
- 画像が表示されるか
- 入力欄が正常か
などを確認します。
Unityのバージョンアップでは、「コンパイルエラーがない=完全に問題なし」ではありません。
実際に画面を操作して確認することが大切です。
11.Unity Editor上で実行する
次にPlayボタンを押してゲーム・アプリを実行します。
今回なら、
登場人物ノート
起動
↓
登場人物を登録
↓
編集
↓
削除
↓
保存
↓
再起動
↓
データ確認
家計簿ノート
起動
↓
支出を登録
↓
編集
↓
削除
↓
集計を確認
↓
保存
↓
再起動
↓
データ確認
といった流れで確認します。
12.Android向けにビルドする
Unity Editor上で問題がなければ、いよいよAndroidアプリをビルドします。
ここでは、
File
→ Build Profiles
などからAndroid向けのビルド設定を確認します。
Unityのバージョンによってメニューの表示が多少変わる場合があります。
特に確認したいのは、
- Androidがビルド対象になっているか
- Package Name
- Version
- Version Code
- Scripting Backend
- Target API Level
- Minimum API Level
- ARM64などのArchitecture
- Keystore
- Signing設定
などです。
既存アプリをアップデートする場合は、Package Nameや署名に関する設定を変更しないように注意します。
13.実機にインストールして確認する
ビルドが成功したら、Androidスマートフォンにインストールして確認します。
ここが非常に重要です。
Unity Editor上で正常に動いていても、Android端末では問題が発生することがあります。
例えば、
- 画面サイズによるレイアウト崩れ
- タッチ操作の問題
- 日本語フォントの問題
- ファイル保存の問題
- 権限関連の問題
- 広告SDKの問題
- Android固有の動作
などです。
そのため、
Unity Editor → Android実機
の両方で確認することをおすすめします。
14.登場人物ノートと家計簿ノートを一通りテストする
最後に、アプリの主要機能を一通りテストします。
例えば次のようなチェックリストを作っておくと便利です。
登場人物ノート
- アプリが起動する
- 新しい人物を登録できる
- 人物を編集できる
- 人物を削除できる
- データを保存できる
- アプリを再起動してもデータが残る
- 日本語が正常に表示される
- ボタンが正常に動作する
家計簿ノート
- アプリが起動する
- 支出を登録できる
- 支出を編集できる
- 支出を削除できる
- 金額が正しく計算される
- 月ごとの集計が正しい
- データを保存できる
- アプリを再起動してもデータが残る
- 日本語が正常に表示される
- ボタンが正常に動作する
これらを確認して問題がなければ、Unity 6.1への移行はほぼ完了です。
Unity 6.0 → 6.1への移行で大切なポイント
今回の移行で特に覚えておきたいポイントをまとめます。
ポイント1:必ずバックアップする
これが一番重要です。
新しいUnityでプロジェクトを開く前に、
Unity 6000.0.58f2
で動いている状態を保存しておきましょう。
ポイント2:いきなりコードを大量に変更しない
エラーが出たからといって、すぐにコードを大きく変更するのはおすすめしません。
まず、
「なぜこのエラーが出ているのか?」
を確認します。
Unityのバージョン変更なのか、パッケージなのか、自分のコードなのかを切り分けることが重要です。
ポイント3:Package Managerも確認する
Unity本体だけでなく、使用しているパッケージにも注意します。
パッケージの互換性は、Unityのアップグレードで問題になりやすいポイントです。
ポイント4:Editorで動くだけでは不十分
最終的には、
Unity Editor
↓
Android実機
まで確認しましょう。
特にスマートフォンアプリの場合、実機確認は非常に重要です。
Unityのバージョンアップは「バックアップ→確認→ビルド」が基本
今回のUnity 6000.0.58f2から6000.1.17f1への移行では、次の流れを基本にしました。
① 現在のプロジェクトをバックアップ
↓
② Unity 6000.0.58f2で正常動作を確認
↓
③ Unity 6000.1.17f1をUnity Hubにインストール
↓
④ 新しいUnityでプロジェクトを開く
↓
⑤ Consoleを確認
↓
⑥ Package Managerを確認
↓
⑦ Scene・UI・スクリプトを確認
↓
⑧ Unity Editorで実行
↓
⑨ Android向けにビルド
↓
⑩ Android実機で動作確認
この手順を守れば、Unityのバージョンアップに慣れていない方でも、比較的安全に移行できます。
まとめ
今回は、Unity 6000.0.58f2で開発していた「登場人物ノート」と「家計簿ノート」を、Unity 6000.1.17f1へ移行する手順をまとめました。
Unityのアップグレードは、
「新しいUnityをインストールして、プロジェクトを開けば終わり」
ではありません。
バックアップ → エラー確認 → パッケージ確認 → 動作確認 → 実機ビルド
という流れで、一つずつ確認していくことが大切です。
特に個人開発では、何か問題が発生したときに以前の状態へ戻せるようにしておくことが重要です。
今回の移行でも、まずはUnity 6000.0.58f2で正常に動作する状態を残してから、Unity 6000.1.17f1へ移行しました。
これからUnityのバージョンアップを行う方の参考になれば幸いです。
参考資料
Unity公式の「Unityプロジェクトのアップグレード」では、アップグレード前のバックアップ、新しいEditorのインストール、互換性問題の解決、ビルドと動作確認という流れが推奨されています。
また、Unity 6000.1.17f1の公式リリースページでは、このバージョンのリリースノートを確認できます。
Unity 6.1の公式マニュアルも、移行時に確認しておくと安心です。

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