Unity の UI Toolkit と Visual Scripting を使って、子ども向けのブロックプログラミング環境を目指している「FUnity」を v0.4.0 にアップデートしました。
今回のリリースでは、プロジェクト管理まわりの使い勝手と、ブロックモード(Blocks)の見た目・挙動を中心に整えています。
v0.4.0 の主な変更点
1. FUnityProjectCreatorWindow + プロジェクトランチャー
- FUnity/Create/New Project… から、FUnityProjectData と StageData をまとめて新規作成できるようになりました。
- 新しいプロジェクトは
Assets/FUnity/Projects/<ProjectName>配下に作成され、背景画像や ModeConfig などの初期設定が自動で行われます。 - 作成したプロジェクトは、エディターのメニューから開ける プロジェクトランチャー(FUnityProjectLauncherWindow)で一覧・切り替えできます。
2. 背景と UI テーマの整備
- ステージ背景を複数登録できるようにし、既定の背景画像をパッケージ内に同梱しました。
- PanelSettings と UI テーマ(UnityDefaultRuntimeTheme)をパッケージ側で管理するようにし、新規プロジェクト作成時のセットアップ手順を簡略化しています。
3. ブロックモード(Blocks)まわりの改善
- 「Scratch モード」という表記から、より一般的な Blocks(ブロックモード) へ名称を揃えました。
- ブロックモードのターゲット FPS を 30 に固定し、安定した見た目になるよう調整しました。
- Hue 回転(色相回転)や吹き出しの見た目など、Actor のビジュアル表現をいくつか改善しています。
4. サンプルプロジェクトの拡充
Samples~/BasicSceneに配置された FUnitySample シーンに、簡単なデモを 2 種類追加しています。- Fooni と Apple が追いかけっこする Simple_Chase、宇宙船とロボットで遊べる Simple_Shooting など、ブロックだけで動きを確認できる例が含まれます。
- 同フォルダの
SampleReadme.txtに、サンプルの使い方が簡単にまとまっています。
FUnity v0.4.0 の導入方法
1. システム要件
- Unity 6 (6000.x) 以降
- UI Toolkit / UI Builder が利用可能であること
- Unity Visual Scripting 1.9 系
2. UPM(Git URL)からインストールする
- Unity を起動し、任意のプロジェクト(2D/URP など)を作成します。
- メニューから Window > Package Manager を開きます。
- 左上の「+」ボタンから 「Add package from git URL…」 を選択し、以下の URL を入力します。
https://github.com/oco777/FUnity.git - しばらく待つと、FUnity – Visual Programming Environment が Packages に導入されます。
3. サンプルシーンから触ってみる
- Package Manager で FUnity を選択し、インスペクターから Samples > BasicScene をインポートします。
- プロジェクトビューから
Samples~/BasicScene/FUnitySample.unityを開きます。 - 再生ボタン(▶)を押すと、画面下部に FUnity のブロックエディタとサンプル作品が表示されます。
4. 新しいブロック作品用プロジェクトを作る
- メニューから FUnity > Create > New Project… を選びます。
- ダイアログでプロジェクト名と保存先(
Assets/FUnity/Projects以下)を指定し、モードに Blocks を選択します。 - 「Create」を押すと、FUnityProjectData・StageData・背景などの最低限のデータが自動生成されます。
- シーン上の FUnityManager の Project に、今作成した FUnityProjectData が自動で設定されます。
- 再生すると、作成したプロジェクトをベースにブロックモードで作品づくりを始められます。
5. 複数プロジェクトを切り替えながら使う
- メニューから FUnity > Authoring > Open Project Launcher… を開きます。
- プロジェクト一覧からアクティブにしたい FUnityProjectData を選び、「Set as Active」などのボタンで現在のシーンに反映します。
- シーンを変えずにプロジェクトだけ切り替えて、複数の作品を試すことができます。
おわりに
v0.4.0 では、FUnity を「1 つの作品専用ツール」から「複数プロジェクトを切り替えながら育てていける環境」に近づけることを意識して作業しました。
ブロックモードまわりの細かな見た目や挙動も引き続きブラッシュアップしていきますので、気づいた点や要望があれば GitHub の Issues から教えていただけると嬉しいです。
ぜひ v0.4.0 で、Fooni やドジョウ忍者たちと一緒に、子どもたち向けのブロック作品づくりを楽しんでみてください!

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